放射性物質
分析

放射性物質は放射線を出して崩壊する元素の総称です。福島第1原子力発電所事故により天然には存在しない放射性物質が大量に放出され、生活環境や農作物等食品の汚染が懸念されております。放射線への被曝は、被曝線量に応じて人体に何らかの影響を及ぼす可能性があるとされ、健康保護の観点から、各種食品には規格基準が設けられております。
弊社福島分析センターでは、福島県を始めとした各地の食品等の放射性物質分析を通じ、食の安全・安心のサポートまた地域貢献に努めて参ります。

放射性物質測定(放射性核種同定分析)

■ 料金等について

分析メニュー 料⾦
(税抜き)
通常納期
(営業日)
放射性セシウム134,137(2核種セット) 14,000円 3〜5
放射性ヨウ素131,放射性セシウム134,137(3核種セット) 15,000円 3〜5

分析対象:
食品全般・飲料水・飼料・土壌他(輸出品も対応可能です。)

測定機器:
ゲルマニウム(Ge)半導体検出器(SEIKO EG&G社)

試験法:
Ge半導体検出器によるガンマ線スペクトロメトリー
厚生労働省通知食安全0315第4号通知による試験法

※報告値は核種毎に放射性物質の量(単位はBq/kg)として報告いたします。

検出限界値:

検体種 検出限界値
放射性ヨウ素
(I-131)
放射性セシウム
(Cs-134)
放射性セシウム
(Cs-137)
一般食品等 5Bq/kg~ 5Bq/kg~ 5Bq/kg~
乳・乳飲料 5Bq/kg 5Bq/kg 5Bq/kg
水・飲料 1Bq/kg 1Bq/kg 1Bq/kg

【2Lマリネリ容器での測定の場合】
※検体量が少ない場合の下限値は御相談下さい。【1Lマリネリ容器、U-8容器(約100mL)での検査も承ります】

■ サンプルの準備方法 他

●検体必要量:
2kg(L)以上(可食部分)

比重力1より検体は大きい。(2Lの容器を満たせる量をご用意ください)
(少量の場合はご相談ください。1Lマリネリ容器、U-8容器〈約100mL容量〉での検査も承ります。)

《農作物》
土等を払い落し、ポリ袋等で梱包してお送りください。
《水・牛乳等》
水洗いしたガラス瓶・ペットボトル・ポリ容器用に満水にしてお送りください。
《食肉・魚介類》
ポリ袋等で梱包してお送りください。

●検体送付・持ち込み場所:
〒964-0981
福島県二本松市平石高田4-286 日本エコテック(株)福島分析センター

注意事項
受付時に表面線量検査を行います。高線量が検出された試料は受付不可となる場合もありますのでご了承ください。

ゲルマニウム半導体検出器による放射性物質分析

ゲルマニウム半導体検出器による放射性物質分析

測定原理:
単位時間に放射性物質が放つγ線のエネルギー(eV)とカウント数を測定し、対象に含まれる核種を同定・定量してゆく

NaIシンチレーション検出器とGe半導体検出器による核種分析時の比較

機器名称 主な測定対象 長所 短所
③NaIシンチレーション検出器 300
  • 高感度(低線量測定に向く)
  • 小型で携行可能な機器もある
  • エネルギー分解能に劣る。
④Ge半導体検出器 100
  • エネルギー吸収が比較的大きく高感度
  • エネルギー分解能が極めて高い。
  • 低バックグラウンド
  • エネルギーに対する比例性が良い
  • 測定時は検出部の冷却が必要
  • 機器が大型化し携行出来ない

放射性物質について

■ 放射性物質

放射線を出して崩壊する元素のこと。自然界にも数多く存在。

■ 放射能

1秒間に原子核が崩壊(壊変)する数のこと。単位はBq(ベクレル)。

放射性元素自体の量にあたる。

■ 放射線

放射性物質が放つ粒子線(α・β・中性子線)や電磁波(γ・X線)。電離作用や非電離作用(透過作用、感光作用、蛍光作用)を持つ。被曝線量に応じて人体に様々な影響があるとされる。

■ 等価線量

放射線被曝による人体に及ぼす影響を表す値。単位はSv(シーベルト)。

自然界に存在する代表的な放射性元素

元素名 半減期
炭素(C)14 5,700年
カリウム(K)40 12.5億年
ラジウム(Ra)226 1,600年
ウラン(U)238 44.68億年

原子炉等で人工的に作られる代表的な放射性元素

元素名 半減期
ストロンチウム(Sr)90 28.79年
ヨウ素(I)131 8.02日
セシウム(Cs)134 2.06年
セシウム(Cs)137 30.18年
プルトニウム(Pu)239 2.41万年

■ 平成24年4月施行の食品中の放射性物資に係る基準値(厚生労働省通知 食安発0315第1号)

品目 基準値
(セシウム134及び137の総和)
備考
乳・乳飲料 50Bq/kg 「乳」とは乳等省令第2条第1項に規定するもの、「乳飲料」とは乳等省令第2条40項に規定するもの
乳児の飲食に供する乳製品・乳及び乳製品の主要原材料 50Bq/kg 「乳製品」とは乳等省令第2条第12項に規定するもの
ミネラルウォーター 10Bq/kg  
原料にお茶を含む清涼飲料水 10Bq/kg  
飲用に供する茶 10Bq/kg  
上記以外の食品(乳等を除く) 100Bq/kg  

留意事項
1、加工食品に関しては、原材料及び加工食品の両方の状態に適用。
2、植物油(サフラワー油、綿実油、こめ油、なたね油)に関しては、油脂の状態に適用。
3、乾燥きのこ、乾燥野菜、乾燥海藻類、乾燥魚介類等通常水戻しをして摂取する食品は水戻しをした状態に適用。
4、茶に関しては飲用する状態に適用。なお、発酵工程を経た茶葉(紅茶等)は除く。
5、乳児用食品は1歳未満を対象とするもの、また乳児(1歳未満)向けの食品であると認識する可能性高いものに適用。

■ 代表的な放射線の種類と透過力

  透過力
(空気中では)
同じ強さの放射線から受けるエネルギー密度と範囲 人体への影響
(同じ強さの放射線を浴びた時)
体外から浴びる場合 体内から浴びる場合
α線 数cm 密度 大
範囲 局所的
重要
β線 数10cm~数m 密度 小
範囲 中
やや重要
γ線 大きい 密度 極小
範囲 大
重要

■ 日常生活と放射線(単位:mSv(ミリシーベルト))